急な事情でバイク置き場が必要になり、自宅近くのトランクルーム(コンテナ)を検討している方もいるかもしれません。
しかし、所有しているバイクがハーレーダビッドソンの「ナイトスタースペシャル(全長2,265mm)」のような大型車である場合、一般的な汎用コンテナに入れるのは非常に困難であり、おすすめできません。 無理に入れようとすれば、愛車を傷つけたり、最悪の場合は転倒させてしまうリスクがあります。
この記事では、なぜ一般的なコンテナでは無理なのか、契約前に必ずチェックすべき3つのポイントについて、実際のサイズや取り回しの観点から解説します。
結論:一般的な「家の近くのコンテナ」にハーレーを入れるのはかなり厳しい

急いでバイクの保管場所を探している場合、自宅から近いトランクルームやコンテナボックスは非常に魅力的に映ります。しかし、結論から申し上げますと、全長2,265mmもあるハーレーダビッドソン・ナイトスタースペシャルを、一般的な汎用コンテナに収納するのは極めて困難であり、おすすめできません。
その最大の理由は、物理的なサイズの問題です。街中でよく見かける1.5畳や1.6畳タイプのコンテナは、外寸こそ大きく見えますが、内寸の奥行きは2,200mmから2,300mm程度しかない製品が多く存在します。
ナイトスタースペシャルの全長はカタログスペックで2,265mmですので、数値上はギリギリ入るか、あるいは数センチはみ出して扉が閉まらない可能性が高いでしょう。仮に数値上で数センチの余裕があったとしても、タイヤ止めやスタンドの位置を考慮すると、扉とフェンダーが接触するリスクが常に付きまといます。
理由1:段差とスロープの問題で「立ちゴケ」のリスクが高い

サイズの問題以上に深刻なのが、コンテナ特有の「床の高さ」とそれによる「転倒リスク」です。質問者様が懸念されている通り、一般的な海上コンテナを改造したトランクルームは、地面から床面までに数十センチの段差があります。
コンテナ特有の段差とラダーレールの恐怖
この段差を解消するためにラダーレール(スロープ)を架けてバイクを押し上げることになりますが、これが非常に危険です。ナイトスタースペシャルの車両重量は約225kgあります。エンジンをかけて半クラッチで登るにしても、エンジンを切って人力で押し上げるにしても、不安定な一本橋の上で重量級の車体をコントロールしなければなりません。
特に、雨の日や夜間など足元が悪い状況での出し入れは、熟練のライダーであっても緊張を強いられる作業となります。
斜めに侵入しようとすると足場がなくなる
「奥行きが足りないなら、斜めに入れれば良いのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、大型バイクでこれを行うのは絶対に避けるべきです。コンテナの入り口は狭く、スロープの幅も限られています。
スロープを登っている最中、つまり前輪が高い位置にあり後輪が低い位置にある状態で、車体を斜めに向けようとハンドルを切るとどうなるでしょうか。バイクは傾き、支えようと出した足は、スロープの外側の「何もない空間」を踏むことになります。
結果として、支えを失ったライダー諸共、バイクが地面に落下する形で転倒してしまいます。いわゆる「立ちゴケ」ですが、コンテナの入り口でこれが起きると、バイクの下敷きになったり、コンテナの縁で車体を大きく損傷させたりする大事故につながりかねません。
理由2:最低でも「2畳」以上の広さが必須条件
では、安全にハーレーを保管するためにはどのくらいの広さが必要なのでしょうか。その答えは「最低でも2畳(約3.3平米)以上」です。
バイクの幅+人間の作業スペースが必要
バイクを保管する際は、単に車体が収まれば良いというわけではありません。入庫した後にライダーがバイクから降り、スタンドを掛け、コンテナの外に出るための「動線」が必要です。
ナイトスタースペシャルの全幅は860mmですが、これはあくまでハンドル幅などの数値です。実際にはミラーの張り出しや、サイドスタンドを掛けた際の傾きを考慮する必要があります。1.5畳のような狭い空間では、バイクを入れたが最後、人間が隙間を通って外に出ることができなくなるケースが多々あります。
2畳タイプなら真っ直ぐ入れられる
2畳以上のタイプであれば、奥行きに余裕がある、もしくは横幅が十分に確保されているケースが増えます。奥行きが2,500mm以上あれば、無理に斜めにする必要がなく、スロープに対して正対して真っ直ぐに入出庫が可能です。
真っ直ぐ出し入れができるということは、バランスを崩すリスクを最小限に抑えられることを意味します。大切な愛車を守るためにも、広さには余裕を持たせるのが鉄則です。
理由3:車種特有の「最低地上高」に注意
最後に、ハーレーのようなアメリカン(クルーザー)タイプ特有の問題についても触れておきます。それは「腹下を擦る」可能性です。
アメリカンタイプは腹下を擦りやすい
ナイトスタースペシャルは重心が低く、スタイリッシュなフォルムが魅力ですが、その分だけ最低地上高も低めに設定されています。コンテナの床が高く、スロープが短い(急勾配である)場合、スロープを登りきって前輪がコンテナ内に入った瞬間に、フレームの下部やマフラーの底がスロープの頂点部分と接触してしまうことがあります。
いわゆる「亀の子」状態になってしまうと、前にも後ろにも動けなくなり、脱出には多大な労力と傷を伴うことになります。これを防ぐには、非常に長いスロープを使って傾斜を緩やかにする必要がありますが、前面道路の広さによっては長いスロープを設置できない場合もあります。
まとめ:近さよりも「バイク専用」または「広さと段差」を優先しよう

急いで場所を探したいお気持ちは痛いほど分かりますが、一般的な荷物用のコンテナに大型ハーレーを収納するのは、サイズ的にも作業の安全性からも推奨できません。「入るかもしれない」という期待で契約してしまうと、納車初日に「入らない」「倒してしまった」という最悪の事態を招く恐れがあります。
まずは以下の3点を条件に再検索することをお勧めします。
- 広さは最低でも2畳以上あること
- 段差がない「バイク専用ガレージ」または「1階・段差なし」の物件であること
- どうしてもコンテナタイプを選ぶ場合は、現地でスロープの長さと勾配を確認すること
多少自宅から距離が離れてしまっても、出し入れのストレスがなく、安全に保管できる環境を選ぶことが、結果として長くバイクライフを楽しむ秘訣となるはずです。




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