トランクルームの設備で怪我をした場合|管理会社に補償は求められる?

コラム

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職場のトランクルームで作業中、尖った扉で指を切ってしまったというご相談をいただきました。まずは無事に20分ほどで止血できたとのことで、安心いたしました。しかし、友人から「怪我をしているのに補償を求めないのか」と指摘され、ご自身の対応が正しかったのか悩まれているようです。

怪我をした直後であれば、友人から言われた言葉に心が揺れるのも当然のことです。本記事では、このようなケースにおいて管理会社へ損害賠償を請求できるのか、現実的な対応策について詳しく解説いたします。

ポイント:まずは設備の改善を優先しましょう
病院へ行くほどの怪我でない場合、金銭的な補償を求めるのは非常に困難です。ご自身が取られた「修繕の依頼」が、トラブルを防ぐ最適な第一歩となります。

結論として、謝罪と設備の修繕対応で解決とするのが妥当です

病院での治療を伴わない程度の怪我であれば、金銭的な賠償請求は難しく、管理会社からの謝罪と修復対応に留めるのが現実的だと言えます。

なぜなら、慰謝料や治療費などの補償を求めるためには、客観的な事実確認や被害の立証が不可欠になるからです。日本において損害賠償を請求する際の基本的な考え方として、「実損(実際に発生した損害)を埋め合わせる」という原則があります。

たとえば、今回のように縫合や通院をしていない状態では、明確な被害額(治療費などの実費)を算出することができません。診断書が存在しない以上、口頭で「血が出て痛かった」と伝えるだけでは、法的な損害として認められにくいのが実情です。

ゆえに、今後の安全を確保するために危険箇所の修繕を依頼し、穏便に着地させるのが最もスムーズな解決策となります。

理由1:怪我の発生原因と過失割合の判断が非常に難しいからです

賠償が難しい大きな理由として、責任の所在を100%明確にすることが困難である点が挙げられます。

扉が刃物のように尖っていたとしても、「誰が触っても確実に怪我をする状態」だったのか、あるいは「利用者の不注意(過失)」が影響していたのかが争点となります。突起物やガラスの破片があったとしても、設備自体が自ら動いて危害を加えたわけではありません。

人間が動いた結果として接触しているため、過失割合がどちらにあるのかを判断するのは極めて困難です。さらに言えば、トランクルームのような無人の保管スペースでは、本当にその現場で指を切ったのかを後から証明することさえ、簡単ではありません。

確認項目 一般的な賠償請求で求められる条件 今回のケースの状況
客観的な損害 医師の診断書、治療費の領収書など 病院未受診のため明確な証明が不可
事故の因果関係 現場での事故証明、第三者の目撃証言 後からの立証が極めて困難
設備の瑕疵 誰が見ても危険な初期不良や管理の怠慢 利用者の過失割合も含めた判断が必要

このように、あらゆる角度からの立証が必要になるため、管理会社側の完全な責任を問うことは容易ではないと言えるでしょう。

理由2:借りている側にも「善管注意義務」が発生するケースがあるためです

トランクルームを契約して使用している以上、借りる側にも設備を適切に管理・利用する責任が生じる場合があります。

もともと鋭利な状態ではなかったにもかかわらず、長年の使用によって後から尖った部分が出てきたようなケースでは、怪我をする前に報告して改善を依頼すべきだったと判断される可能性もあるからです。

契約当初からの欠陥で何人も負傷しているような状況であれば別ですが、これまで誰も怪我をせずに使えていたのであれば、今回負傷した方の使用方法や頻度に問題がなかったかも問われることになります。日常的に複数人が出入りする職場のトランクルームであれば、誰がどのように使っていたかを把握するのはさらに困難になるでしょう。

豆知識:善管注意義務とは?
「善良な管理者の注意義務」の略称です。他人の物を借りている間は、社会通念上要求される程度の注意を払って使用しなければならないという法的なルールを指します。

したがって、状況によっては管理会社だけの責任とは言い切れない事情も絡んでくるわけです。

注意点とデメリット:過度な要求はトラブルを拡大させるリスクがあります

感情的になって高圧的な態度で賠償を求めると、ご自身が不利益を被る恐れが生じます。

明確な証拠がない状況で、「血を流しているのだから謝罪だけで済むはずがない」と強く迫る行為は、法外な要求と見なされかねないためです。

前述の通り、怪我の事実や因果関係の立証が不十分なまま相手を責め立てると、悪質なクレーマーとして扱われる危険性があります。また、職場と管理会社の法人契約自体に亀裂が入り、ご自身の立場を悪くするトラブルに発展しかねません。

注意点:感情的な要求は避けましょう
法的な根拠のない過度な賠償請求は、最悪の場合、業務妨害と受け取られるリスクがあります。怒りを感じても、冷静な対応を心がけることが大切です。

ご友人の言葉で不満を感じるお気持ちもあるかもしれませんが、無理に金銭を追い求める行動には大きなデメリットが伴います。

まとめ:怪我の再発を防ぐための報告は素晴らしい行動です

今回、速やかに状況を報告し、ドアの見直しをお願いしたのは非常に的確な判断でした。

賠償請求という形にはならなくても、危険な箇所を修繕させることで、今後誰も同じような目に遭わずに済むからです。ご自身の痛みをきっかけに設備の改善を促した行動は、社会人として非常に責任感のある振る舞いと言えるでしょう。

職場の同僚など、次に利用する人たちの安全を守る立派な対応を行えたことになります。もし今後、別の場面で同様のトラブルに巻き込まれた際も、まずは被害の拡大を防ぐための報告を最優先に考えてみてください。

納得のいかない部分も少なからずあるかもしれませんが、今回は謝罪と環境改善をもって解決とし、平穏な日常に戻ることをおすすめいたします。

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